第48回日本神経外科大会

ご挨拶

藤山文乃

藤山 文乃
第48回日本神経科学大会 大会長
(北海道大学大学院医学研究院)


第48回神経科学大会は2025年7月24日(木)~27日(日)にかけて新潟朱鷺メッセ・新潟コンベンションセンター(新潟市)で開催されます。本大会を主催する日本神経科学学会の前身である日本神経科学協会が会員数70名で創立されてから50年の節目を記念したイベントを含め、世界トップクラスの神経科学者の招聘など、充実した大会にするべく関係者一同準備を進めておりますので、是非ご参加ください。

この50年の間、神経科学の分野は飛躍的に進化しました。脳という壮大な謎と対峙するための学問分野は、分子生物学、細胞生物学、生物物理学、解剖学、生理学、生化学、薬理学、心理学、行動科学、工学、数学、臨床医学など文理を含め極めて多様です。また、産学を含め広範な分野から創出される最先端の技術革新が神経科学の進化を加速しています。この目覚ましい発展に伴い、創立50年後の現在、日本神経科学学会は幅広い分野の研究者が約6千名以上所属する神経科学としては最大規模の学術団体となっています。
本学会の年次大会は1978年の神経科学協会の第1回学術集会以降、研究成果発表や研究推進のための情報交換のための中心的な場であり続けています。その間災害や疫病など困難な時代においても、関係者や会員の皆様の不断の努力により、年次大会の役割は引き継がれてきました。

本大会のテーマは
心に描く神経科学の未来予想図
Future projection of neuroscience as envisioned in the mind
です。

社会情勢や技術革新など神経科学を取り囲む激しい潮流の中で、次の50年に向けて神経科学者が抱く理想はどういうものになるのでしょうか。脳の動作原理を解明すること、こころを知ること、脳から社会を読み解くこと、神経・精神疾患を解明し治療すること、研究者一人一人の未来予想図はそれぞれに違うことだと思います。ただその研究者が一堂に会し、専門分野・性別・年齢・国籍の垣根を超えて交流することで、未来予想図はより現実味のある、それでいて夢のあるものになっていくのではないかと期待します。また、この分野を未来に繋げるためには若手の育成が不可欠です。先鋭化した各分野を理解するための共通言語を学ぶための教育プログラムを充実させるとともに、若手研究者、大学院生、大学生、さらに若い世代をも巻き込めるような学びの場を作りたいと思っています。

本大会が、「私たちの学会」の「100年目に向けた次の50年」の第一歩になることを心から願っております。